突撃！シニアライフの現在
腰が曲がっても美しく着られるシニア向けの洋服をつくる「マダムトモコ」の社長にインタビューしてきました！
マダムトモコの洋服は“自分を大切にできる服”
【写真3】丁寧な縫製
――先のパジャマの話といい、武石さんは、何かを大事にすることにこだわりを持っていらっしゃるのではないかと思いました。
そうかもしれませんね。自分自身に関わることはもちろん、お客様のことはそれ以上に大事にしています。私自身が1着1着を大事に着るように、マダムトモコの洋服たちもお客様に大事にしていただきたい……そのためにはお客様を一番に思った洋服を提供するべきだと考えています。たとえば、絶対にほつれないように細かいところまでパイピングしていたり（写真3参照）、身体を動かしにくい人でも着やすいように設計したりしています。
【写真4】胸元のフリルがかわいい
――高齢者の方に特化した機能性をもつ縫製になっているんですね。
機能性ももちろんですが、デザインにも力を入れています。いかにも“おばあちゃんの服”みたいにはならないように気をつけています。そこで大事にしているのは派手になりすぎず地味になりすぎずということ。この服（写真4参照）は色味の多い生地を使っているんですけど、これがちりめんの生地なので、不思議と派手になりすぎないんです。そしてなんといってもこの服はある程度年を重ねていないと着こなせない。それがマダムトモコの服の醍醐味なんですよ。
思わず着たくなるかわいらしいデザイン
――確かに、高齢者の方が着るからこそ魅力的に見えるような服が多いですね。
高齢者向けの服だからといって流行を追わないなんてこともしません。むしろ積極的に流行りの色やかたちを取り入れて、シニア向けのお洒落なデザインにしています。あくまでシニア向けなので、若い子が着ても似合わないと思います。私なんかもまだまだです。今カタログのモデルをやってくださっている方は75歳なんですけど、まだ若いとすら思いますね。年をとっている方が綺麗に着られる服があるなんて、素敵なことだと思いませんか？ 「年をとったからお洒落を楽しめない」なんてことはなくて、もっともっと深いお洒落ができるようになるんです！
――こんなに素敵な洋服、私も早く着たいなと思っちゃいます。自分はまだ着られなくても、母や祖母に教えたいですね。
マダムトモコにもプレゼントでお買い求めになる方が多いです。娘さんからお母様へ、お嫁さんから義母様へ……いろいろありますが、時には旦那様から奥様へプレゼントされることもあるんですよ。見ているこちらが癒やされます。
マダムトモコはこれからも挑戦し続ける……
攻めた生地のズボンもあります
――創業（2003年）から常に新しいことに挑戦し続けているような印象がありますね。
私たちはこの業態のリーディングカンパニーだと自負しているので、安っぽいものはつくらないようにしています。お年寄りの方の洋服だからこそ質の良いものを提供できなくてはいけません。これまで10年以上やってきましたが、競合らしい競合が出てこないんです。それもあってか、お客様から直接ご要望をいただくことも多いですね。“お洒落なシニア服”を選ぶ選択肢がうち以外にないから、「派手すぎる」とか「地味すぎる」とか、そんな声をいただくこともあります。うちほどお客様との距離が近いアパレルブランドも珍しいかと思いますね。「お腹がしめつけられる」という意見があったので、ウエストのゴムを2本にしました。お客様の声は一番の肥やしですね。
――お客様もそんなマダムトモコを信頼しているからこそリピートするんでしょうね。
そうだと嬉しいですね。うちに来てくださるお客様は“今”を楽しんでいて、キラキラしている方が多いんです。過去の自慢話や将来の不安を口にすること無く、自分自身を大事に生きていらっしゃいます。その方たちに老後なんて言葉は似合わなくて、自分も年をとるのが楽しみになるんです。お客様に元気になっていただくために始めたこの仕事を通して、お客様から元気をいただいているんですよね。だからこの仕事がとても楽しくて、これからもずっと続けていこうと思っています！
マダムトモコ（HP）
【住所】 世田谷区桜新町1-8-5 YJビル1階
【アクセス】 東急田園都市線桜新町駅西口より徒歩5分
【電話番号】 03-6805-9679
【営業時間】 10：00～17：00
【定休日】 なし
詳しいお店紹介はこちら 編集後記
聞き手：O
さて、『突撃！シニアライフの現在』の第2回はいかがでしたか？
今回のテーマはシニアのファッション。なんともぴったりなお店が桜新町にあったので、インタビューしてきちゃいました。お話を伺った武石さんはとても優しい空気を纏っていながら、洋服への熱い思いを持つ素敵な女性でした。仕事はもちろんライフスタイルについてもこだわりを持っておられて、ついつい話が弾みました。私もいつかマダムトモコの服が似合う“おばあちゃま”になりたい！と強く強く思いました♪
