赤星たみこのゆっくり生活
第19回 新しい気持ちで
割り箸って家庭でも使いますか? 普段は普通のお箸を使うことがほとんどでしょうが、私が子どもの頃は、おせち料理を食べるときに割り箸を使いました。
新年になって初めて使う割り箸は、食堂などで見るものより豪華です。水引のついたきれいな袋に入っていて、それを使うときは本当に清潔で清新な感じがしました。
一回使ったその割り箸は、その後てんぷらを揚げるときや、焼肉をしたときなど、塗り箸が傷みそうな時に使いました。それが捨てられるのは数ヵ月後、いや、もしかしたら一年くらい使ったかもしれませんね。
割り箸は日本の文化だと思います。麺類を食べるときに使いやすいし、パキンと割って使うのも清潔感があります。だけど、一回で捨ててしまうのはもったいない。何度か繰り返し使って、割り箸の命を最後まで全うさせてから捨てないとかわいそう…。
ものは最後まで使いきってから捨てる、というのは、ケチャップやマヨネーズのチューブのように『中身』のことだけではないと思います。
私はモノを捨てる前に「これは本当にものの命がなくなったのかな? まだ命があるんじゃないかな?」ということが頭に浮かびます。ポイポイ捨てるほうが簡単ですけど、ちょっとだけ自問自答することが、モノを大切に使うことにつながっていくような機がします。
※この記事は、フリーペーパー『まいぷれ』に掲載されたものです。
赤星たみこ(漫画家・エッセイスト)
漫画家の多忙な生活から、家事の手間を省く方法を考案し発表している。新刊『赤星生活』(講談社)では、今まで実践してきた生活のコツを伝授。ダイエット、掃除、料理… 自分をダメダメだと思っている人に勇気を与えるビタミン剤的1冊となっている。
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